若き日の思い出

こんちは!
今日は、特に書く事もないので、昔の思い出を書こうかと思います。
あれは、僕が千葉に引っ越してくる前だったので・・・小学校5年生の時の思い出です。
ある暑い、夏休みの夜・・・僕はお風呂上りにパジャマを着て、ベランダで星を眺めながら涼んでいたんです。
こういうのも風流だな。と、幼いながら感じていました。
すると、突然「ウィーン・・・パシャ!」と、いうカメラのシャッターを切る音がしました。
その時は、「なんだろ?」と思っただけで、その後も僕は星を眺めていました。
すると何度も何度も「パシャ!」「パシャ!」と、カメラのシャッターを切る音が聞こえました。
その音は、室内から漏れているようなこもった音ではなく、外でシャッターを切っているような、はっきりとした音でした。
その日は、その後5分くらい星を眺めた後に、部屋に入り、寝ました。
そして、次の日の昼。僕は母親に頼まれ、ベランダ出て洗濯物を干していました。
夏の昼間はとても暑く、汗がだらだらたれます。
早く終わらせてしまおうと思い、ペースを上げて洗濯物を干していると、
「ウィーン・・・パシャ!」
また、あの音が聞こえました。なんだよもう。
「パシャ!・・・ダンダンダンダンダンダンダン・・・」
そして、間髪いれず、もう一回鳴りました。 次は何かを叩く音も聞こえました。
周りを見回しても、カメラを持っている人どころか、人は一人もいませんでした。
俺「・・・・・」
僕は少し気味が悪くなり、洗濯物を手っ取り早く洗濯物を干し、そそくさと部屋へ入りました。
そして、次の日も、その次の日も、毎日、僕がベランダに出ると、その「パシャ!」という音が聞こえました。
さすがに、だんだん怖くなってきた僕は、母親に相談しました。
俺「ねぇ、俺がベランダに出ると必ずカメラのシャッターの音がするんだけど。」
母「えー? ストーカーかもねw」
俺「なんか気持ち悪いんだけどー」
母「ファンなんじゃないのー?ww」
母は、真剣に聞いてくれませんでした。
ストーカー・・・母にそういわれ、ストーカーの可能性もあるな。と、思いました。
そのうち、シャッター音を聞くとドキッとしたりするようになってきて、本格的に怖くなってきました。
当時小5の僕には、あの状況は本当に怖かったです。
  
僕のベランダからの景色は、目の前に家が2件。そして、その隙間からアパートが見えまして、
こんな感じ
何度もカメラのシャッター音を聞いているうちに、その音がアパートの方から鳴っていることに気付きました。
なので僕は、ベランダに出てシャッター音が聞こえると、すぐにアパートの方向に目を凝らしたのですが、そこには誰もいませんでした。
そして、そのままシャッター音とともに日が経ってゆき、
夏休みも後半に差し掛かってきたとき、僕は考えたあげく、一大決心をしました。
その一大決心とは、
「俺の写真を撮ってるってことは、俺のことが好きってこと。
ってことは、俺のことを嫌いにさせて幻滅させれば、もう俺は写真は撮られない!」
と、いうとても安易で勝手で子供っぽい仮説から生まれたものなんですが、
つまり、物凄くストーカーから嫌われちゃおう。と、いうことです。
名づけて「ストーカー幻滅作戦」と、いう作戦です。
あの時は必死でしたからね、今でも作戦名を覚えていますよ。
と、いうことで、僕は次の日の夜、作戦を決行することに。とことん嫌われてやります。
そして次の日。夜。
僕はもっとも写真を撮られることの多い時間帯の20時に、バスタオルを巻いて風呂上り姿でベランダに出ました。
そして、そのまま3分くらい経ち、そろそろかな。と思ったその時。
「ウィーン・・・パシャ!」
来ました。その瞬間、僕は腰に巻いていたバスタオルを取り去り、全裸になりました。そして、
俺「ホッホーイ! ソイソーイ!! ソイソーッス!! ソイッ・・・ソォォォッス!!!」
と、叫びながら自分の尻を叩き、16ビートのリズムを刻みながら、
ソーラン節をアレンジした踊りを狂ったように踊りました。
すると、「パシャパシャパシャパシャパシャ!!」と、大好評でした。畜生。
そして最後に「俺彼女いるかっ・・いるからー!!!」と、叫びました。強がった上に、噛みました。
んで、部屋に戻りました。
そして、その日からはシャッター音は聞こえなくなり、僕は安心してその後の夏休みを過ごしました。
夏休みの最終日、僕の家に近所の小学4年生の男の子が来ました。
男の子「お兄ちゃんのおかげで自由研究できたよ!」
俺  「え?俺、なんか手伝ったっけ?」
男の子「あのね、秘密でお兄ちゃんの写真撮ってたの!」
その瞬間、僕の中で何かが崩れる音がしました。
俺  「・・・ちょっとさ、その自由研究見せてくれない?」
男の子「持ってきたんだよ! はい!」
その近所の男の子が作った自由研究のノートを見ると、
「7月29日 洗濯物が多くて大変そうです。」
と、一言文が僕の写真とともに書いてありました。
そういえばその子は向かいのアパートに住んでたなぁ。と思って泣きそうになりました。
そして、最後の日のページを見ると。
「さいごの日です。おにいちゃんはいきなりハダカになって、大きいこえを出しながらおどっていました」
と、僕の素っ裸の写真とともに書いてありました。
隠すべき場所には、あさがおの絵のシールが貼ってありました。
俺  「・・・・今度からは一言よろしくね。」
男の子「うん!」
俺  「あと、最後のページは勘弁してください。」
男の子「えー・・・頑張ったんだよ!? いきなり暴れたからびっくりしちゃった!」
俺  「勘弁してください。」
その後、ゲームで俺が勝ったら勘弁してくれるという約束で僕がボロ勝ちし、
最後の日の醜態だけは勘弁してもらいました。
その日から、僕はベランダに出る時には必ず服を着る。という習慣が身につきました。
今考えると、ストーカーに嫌われようとするなんて、恐ろしいことですよね。
みなさんも、気をつけてくださいね。
では、今日はこのへんで!
ではまた!