ピザと僕

 
それは、僕が長い昼寝から目覚めた時のことです。
16時頃に眠りについた僕は、夜の20時頃に次男に呼ばれて目を覚ましました。
 
俺 「・・・なに?」
次男「夜ご飯だよー!」
俺 「あ、もうそんな時間? 今日のご飯はなに?」
次男「ピザだよ!」
俺 「うおお! やったー!」
 
今日は母親が夕食を作れずにでかけてしまい、しょうがなく留守番をしている子供だけで宅配ピザを頼んだそうです。
ピザが大好きな僕にとって、今日ほど幸せな日はありません。
リビングへ行くとピザのいい香りが。 食欲をそそられます。
 
うまそう
俺 「うおお! おいしそう! いただきまーす!!」
長女「待って!!! 食べないで!!!」
俺 「・・・え?」
なぜか、ピザを食べるのを長女に止められました。 意味がわかりません。
 
長女「このピザは、私達のお金で頼んだものだからお兄ちゃんは食べないで!!」
俺 「・・・へ?」
長女「お兄ちゃん、寝ててお金払ってないでしょ? このピザは、私達3人でお金を払ったの!」
 

俺 「・・・・は?・・・へあ?」

つまり話をわかりやすくすると、
『僕以外の兄弟(3人)で金を払って買ったピザだから、僕は食べられない。』
ということだそうです。
 
俺 「え、だってさっき次男が・・・ご飯だよって・・・・」
次男「あれは、ただ自慢がしたかっただけだよ。
 

 
 
は? 
 
 
俺 「え・・・じゃあ、俺は何を食べれば・・・?
長女「にんじんでも食べてれば?」
 
  

 
 

 
 
長女を始め、次男、次女の3人はピザを美味しそうに食べます。
 
長女「ああー、でもなんだか喉が乾いちゃった・・・」
次女「ピザは喉が乾いちゃうよねー」
次男「そういうと思って、コーラを買ってきたよ!!」
長女「やったー!!」
 

次男「はい、じゃあ配るよー!」
 
 
次女「やっぱりピザにはコーラが合うよね!!」
 

次女「うん、おいしい!!」
 

 
 

次男「ああー、美味しい!!」
 

 
次男「あ、コーラはお兄ちゃんの分も買ってきたよ!」
 
どうしろ、と
 
 
長女「あぁー! やっぱりピザとコーラの組み合わせは最高!!」
 
 
 
 

 
 
俺 「あの・・・」
長女「なに?」
俺 「・・・僕は、一体どうすれば・・・?」
長女「え・・・じゃあ、鼻からにんじんでも食べてれば?
 
 

 
長女「あ、やっぱり二本。 二本食べたほうがいいよ。
 


 
 
 
長女「ああー食べた食べたー」
次女「美味しかったね!」
次男「もう食べられないわー・・・」
 

 
俺 「あの・・・この食べ残りは、俺が食べてもいいですか?」
長女「ダメだよ! これはお母さんとお父さんの分だもん! 残さなきゃ!」
俺 「え、だって俺・・・食べて・・・ないんだけど・・・」
長女「ああーもう! にんじんだって食べると美味しいんだよ!?」
俺 「だって、ピザの横でにんじんオンリーを食べるって、結構精神的に・・・」
長女「じゃあ、外で食べればいいでしょ!? 公園でも行ってくれば!?

 

 
 

 
 

 
 
秋の風は肌寒く、その風を体に受けながら僕は反省しました。
 
「お金を払ってピザを食べよう。」

そう決めた僕は財布を握り締め、家に帰りました。
財布を開きながらリビングの扉を開けると、
母と父が帰宅していて、すでにピザは無くなっていました。
 
 
その時に思わずかぶりついたにんじんは、なぜだか、少ししょっぱかったです。