ランダム画像で即興小説を書こう!

こんちは!
満員電車に乗っている時に、痴漢に間違えられないようにザビエルみたいなポーズをしていたのですが、
何故か僕の周りだけすいていました。ARuFaです。
何故でしょうね。さっぱりわかりません。
 
さて、そんな僕は最近、「小説」にハマっております。
小説っていいですよね。文字が作りだす様々な物語! ページをめくるたびに得られる感動! 涙!
そんな大好きな小説を読んでいて、僕は思いました。
「僕も小説が書きたい。」
・・・と。
しかし僕は、小説は読んでいるだけで、書いたことはほとんどありません。
果たしてそんな僕に、小説を書くことができるのでしょうか。
と、いうことで今回は、自分の力を試すために、あるチャレンジをしてみたいと思います。
その名も・・・・
「ランダム画像で即興小説」です。
名前を見ただけでは何も伝わってこないと思いますので、ルールを説明致します。
 
【ランダム画像で即興小説:ルール説明】
1.ランダムに選ばれた画像8枚を使い、即興小説を書く。
2.選ばれた画像は、全て使わなくてはいけない。
3.同じ画像を複数使用するのはOK。
・・・こんな感じ。
つまりはランダムで選んだ画像からストーリーを考えて、小説を書くという感じのチャレンジです。
 
そして、今回のチャレンジのキーポイントとなる、ランダムに選ばれた8枚の画像がこちら!
(※自分が撮影した写真フォルダから、ランダムで選びました。)
 
1
ポッキー
 
2
何かよくわからない状態の64コントローラー
 
3
絵に描いたような馬鹿
 
4
2人の子供
 
5
割れたクッキー
 
6
「おわり」の文字があらかじめ書いてある、絶対使いにくい写真
 
7
川に飛び込む僕
 
8
黄色い人
 
こんな感じです。多分これは引きとしては最悪の組み合わせでしょう。
いくらポーカーの達人でも、見た瞬間に鼻血を出しながら失神する程の手札の組み合わせです。
しかし、これはもはや決定事項。
早速この画像を全て使った小説をご覧ください。
では、どうぞ!
 
 
――――――――――
『バレンタインの音色』
 
とある街の静かな住宅街。
一見するとどこにでもある普通の住宅街。しかしこの住宅街は近隣のどこより住みやすいと評判だ。
街から遠すぎず近過ぎず、住宅間の仲も良い。子供や老人も皆元気で、いつも笑顔・・・
ここまでは、一般的に言われる「良い住宅街像」だが、この住宅街にはある特徴がある。
それは、毎日15時になるとどこからともなく聞こえる、ピアノの音だ。
毎日決まった時間に流れるそのピアノの音は、筆舌し難い程の美しい音色であり、住民の心を癒している。
曲はその日の季節、天候、気温などによって変わり、その日に最適なものが選ばれ、その音を聴きに、隣町から見物人が来るほどだ。
 
そしてそのピアノの音の主こそが、この住宅街で最も大きな敷地面積を誇る「白鳥家」の長女、白鳥ルリ子である。
白鳥家はこの町でも有名な大企業を経営しており、ルリ子はいわゆるお嬢様だ。
容姿端麗であり、性格は穏やか、それでいて笑顔が美しく、まさに男性の理想を絵に描いたような女性なのだ。
 
 
白鳥ルリ子
 
そして、そのルリ子の幼馴染がこの俺、横川マサルだ。申し遅れてすまない。
横川マサル
特技はフルート。こう見えてグラミー賞も取ったんだぜ。
そして、まずはルリ子の幼馴染として言わせてもらおう。
先ほど書いた、「容姿端麗であり性格は穏やかなルリ子」は、いわば外面から見たものだ。
付き合いの長い俺の前でのルリ子はまさにフツーの女の子。無邪気に笑い、怒ると怖く、そして少しおっちょこちょいなのだ。
そんなルリ子に俺は、今日、家に来るように言われていた。
今日は2月14日。確か何かイベントがあったような・・・
 

 
住宅街を南へ行くと大きな坂があり、そこの頂上にルリ子の家がある。
白を基調にした、西洋風の城のような家であり、とても大きい。
そりゃあ最初こそ、親の年収がハマグリ3個の家に生まれ、毎日公園の木の樹液を飲んで生活している俺なんかがこんなところに来ていいものかと思った。
しかし、そんな俺にルリ子が「人の価値はお金じゃないの。」と言ってくれたのが5歳の頃。
その頃から俺達はよく遊び、そして今に至る。そしてここだけの話、俺はルリ子が好きだ。
 
重厚な門の横に取り付けられたインターホンを押すと、しばらくしてルリ子が出てきた。
 

ルリ子「いらっしゃい、来てくれてありがとう。あら、今日はおしゃれなのね。」
俺  「う、うるせぇな・・・!」
ルリ子「まあいいわ。上がって。」
 
ルリ子の家は敷地が9万ヘクタールあるため、執事が車で玄関まで送迎してくれる。
その車の中で俺は気が気ではなかった。
そう、家を出る直前までは気付かなかったが、2月14日と言えば「バレンタインデー」なのだ。
 
・・・バレンタインデー。
女性が意中の男性にチョコレートを渡し、自分の気持ちを伝える日である。
もしかしたらルリ子は俺に・・・そう思った俺は久しぶりに自分なりのオシャレをして来たというわけだ。
 

 
ルリ子の家に上がると、奥の部屋から何かが走ってきた。
ルリ子のペット、ポチである。
俺  「おお! ポチ! でかくなったなぁ!」
ポチ 「ワンワン!!」
ルリ子「ポチったら、こんなに喜んじゃって。マサルに会えたのがそんなに嬉しかったの?」
ポチ 「ワンワン!!」
 
ポチ
ポチ 「クゥーン! クゥーン!」
俺  「ははは! そんなにナメんなってば!」
ルリ子「こら! ポチ! 部屋に戻りなさい!」
ポチ 「↓ ↘ → + A」
ルリ子「こら! いたずらしない!」
俺  「いいっていいって!」
 
・・・犬は人間の気持ちがわかると言われている。
きっとポチは俺の緊張をほぐしてくれるために、甘えてきてくれたのだ。
ありがとう、ポチ。
 

 
俺はルリ子にキッチンに案内された。
ルリ子「あのね・・・マサル・・・」
マサル「・・・なんだよ急に。」
 
ルリ子が恥ずかしそうにしている。チョコか、チョコなのか?
しばらくの沈黙のうち、ルリ子が口を開いた。
 
ルリ子「実は・・・・」
マサル「うん。」
ルリ子「私に、チョコ作りを教えて欲しいの!!」
マサル「えっ」
 
ルリ子の話はこうだ。
今日はバレンタインデー。ルリ子にはチョコを渡したい好きな人がいるが、チョコを上手く作ることができない。
しかし、お嬢様という立場上、チョコも作れないということは秘密にしたい。
そこで、幼馴染の俺にチョコ作りを教わりたい・・・と。
なるほど、俺なんて眼中に無かったってことか・・・トホホ。
俺の心は、まるで無人島に取り残された子供のように絶望した。
 
イメージ図
しかしこれもルリ子の頼みだ。教えてあげようじゃないか。
そしてルリ子には、是非とも幸せになってもらおう。それが、いいんだ。
 
俺  「よし、頑張ってチョコを作るぞ! そんでもって告白は絶対成功させろよ!」
ルリ子「・・・うんっ!」
こうして俺達のチョコ作りはスタートした。
 
俺  「チョコ作りとは言っても、結局は市販のチョコを溶かして固めるだけだ。簡単だぞ。」
ルリ子「へぇー!そうなんだ・・・カカオ豆から作るものかと・・・」
俺  「馬鹿お前、そんな面倒なこと誰がするんだよ!」
ルリ子「てへへー」
俺  「というわけでまずは、ポッキーについたチョコを一本ずつ削ぎ落とすんだ。」
ルリ子「はーい。」
 

そう、チョコ作りは市販のチョコを溶かして固めるだけ、ポッキーについたチョコを一本ずつ削ぎ落とすだけでいいのだ。
それをルリ子はカカオ豆から作るだなんて面倒なことを・・・おっちょこちょいだなぁ。
そういえば昔、俺のフルート発表会にルリ子を招待した時も、ルリ子は間違えて喪服で来ちゃったっけ。
ふふ、変わってないなぁ。
 
俺  「お前、そういうところは昔と変わってないなぁ。ドジルリ子〜」
ルリ子「もー! そのあだ名で呼ぶなぁー!」ぐわぁ
俺  「おい! ちょ、降ろせよ!」
ルリ子「えーい!」
 
 

ルリ子は、怒るとすぐに相手を川に投げ込む癖があるのだ。
 
俺  「ゲホッゲホ! その癖も治ってないのかよ・・・投げルリ子。」
ルリ子「その名前もやめて!」
 
 

 
俺  「ごめんごめん! もう言わないから! 謝る! 謝るから! 謝ルリ子!」
  
 

 
俺  「本当にごめん。さあ、チョコ作りを再開しよう。」
ルリ子「よーし、頑張る!」
俺  「頑張ルリ子だな。」
 
 
 

この後、俺は15時間も川に投げ込まれ続けた。

 
・・・そしてチョコ作りは進みついに、ルリ子のチョコは完成した。
ルリ子「・・・よし! 完成!!」
俺  「うん! 良いんじゃないか!?」
 
 

色合い、見た目、盛り付け、すべて完璧だ。
このチョコを渡されて惚れない男はいないだろう。悔しいがルリ子を幸せにしてやってくれ。
 
俺  「あとはこれを意中の相手に渡すだけだな・・・・」
ルリ子「うんっ! ドキドキするなぁ。」
俺  「っておい! もう23時59分じゃないか! 早くしないと日付が変わるぞ!」
ルリ子「わわ! じゃあ早速行ってくるね!」
そういうとルリ子は部屋を飛び出して行った。
これでルリ子の告白は成功したら、俺もルリ子から離れないといけない。
そう思うと、何だか胸が締め付けられるような思いがした。
ルリ子、今までありがとう。本当にありが―――
 
ガチャッ
 
俺が感傷に浸っていると、部屋を出て行ったルリ子がドアを開けて戻ってきた。
ルリ子「てへへ、忘れ物しちゃった」
俺  「忘れ物? おいおい! 間に合わなくなっちゃうぞ、早くチョコを届けてやらないと!」
ルリ子「そうだね、早く届けなきゃ・・・大好きな人に・・・」
 
そう言うとルリ子は持っているチョコを俺に手渡す。
俺  「・・・?」
ルリ子「もー! まだ気づかないの? はい、あげる。」
俺  「これって・・・え?」
ルリ子「大好きな・・・人にね・・・・」
 

 
とある街の静かな住宅街。
一見するとどこにでもある普通の住宅街。しかしこの住宅街は近隣のどこより住みやすいと評判だ。
街から遠すぎず近過ぎず、住宅間の仲も良い。子供や老人も皆元気で、いつも笑顔。

と、ここまでは一般的に言われる「良い住宅街像」だが、この住宅街にはある特徴がある。
 
それは、毎日15時になるとどこからともなく聞こえる、ピアノとフルートの音だ。
 
 
・・・
・・・・
 
おじいさん「・・・そんなお話があったんじゃよ。」
孫 「へぇーすごいね!」
おじいさん「そうじゃろう? そうじゃろう?」
孫 「でもさ、ピアノとフルートの音が鳴り響いてるのに『静かな住宅街』ってのはおかしくない?」
 
 

  
〜完〜
 
―――――――――
 
・・・はい! いかがでしたでしょうか!?
いやぁー、とんでもない結果になってしまいましたね。
顔の発色が良過ぎるヒロインってのは、すごい新しいと思います。
これからの時代のヒロインは、発色で勝負をしてくるかもしれませんね。
そんでもってこの「ランダム画像で即興小説」、書いている方は意外と楽しいので、みなさんも是非やってみてはいかがでしょうか。
それでは、今日はこのへんで失礼致します!
ではまた!