皆既月食を見ました。

本日12月10日。 今日は皆既月食がありました。
皆既月食とは、月が地球の影に隠れ、欠けて見える現象の事。
それは今日、21時半頃から始まったのです。
 
僕は月の観察をするために、家の前に出ました。
 

長女がいました。
 
俺 「うお、びっくら。」
長女「遅いよ! 月食は待っちゃくれないよ!!」
俺 「すみません。」
長女「わかったらほら! 寝た寝た!!!」
俺 「はい。すみません。」
 
長女に言われる通りアスファルトの上に寝転ぶと、半分以上欠けた月が見えました。
 

 

 
俺 「きれいですね・・・感動します。」
長女「当たり前だよ!! そのための月食ってもんだ!!」
俺 「はい、すみません。」
 
この後、僕等は二人で空を眺め続けました。
 

 
12月に入り、夜の冷え込みは最高潮に。
気温は2℃。風もあり体感気温はそれ以上に寒く、何よりアスファルトが氷のように冷たいのです。
 
しかし僕等は月を見続けます。
それは何故か。そこに月があるからです。
 

  
 
〜10分後〜
 
早くも、冷たいアスファルトに接しているお尻の感覚が無くなってきました。
月も雲に隠れ始め、月食は見えたり見えなかったり。
しかし、僕等は負けずにふんばります。
 

 
 
〜30分後〜
 

雲が晴れ、月が良く見えるようになりました。僕らのふんばりのおかげでしょう。
真っ黒な空に星々がキラキラと散りばめられているのを見ると、宇宙と一体になった気になれます。
僕も寒さのせいでお星様になりそうですが、長女が起きあがるのを許してくれません。
 
長女「君は月が見たいのか、温まりたいのか、どちらなんだ?」
俺 「はい、月が見たいです。」
長女「よく言った。もうひとふんばりだぞ!」
俺 「はい!」 
 

 
長女「ところで、お兄ちゃんは月の気持ちを考えたこと、ある?」
俺 「え?」
 
え?
 
 
 
〜1時間後〜
 

色々あって服が消えました。死にます。
「月の気持ちを考えたことがあるか?」という長女の言い分は、こうです。
 
長女「今、月は皆既月食だから、何万という人に見られているわけです。」
俺 「はい。」
長女「きっと、恥ずかしいでしょう。頼りになる人が欲しいでしょう。」
俺 「そうですね。」
長女「ということは、『月に見られる人』も必要なわけだ。」
俺 「逆転の発想ですね。」
長女「ではお兄ちゃん。服を脱いでください。そしてその体を月に見せつけましょう。」
俺 「わかりました。」
長女「月を見るだけではなく、月に見られてこそ本当の皆既月食です。」
俺 「わかりました。」
 
というわけです。この格好で30分です。
 
いっそ殺せ
 
しかし、生まれたままの姿+αなこの状態で空を見上げると、不思議と心がきれいになってゆきます。
まるで自分が宇宙と交わったかのような不思議な感覚です。昔の記憶でもたどってみましょう。
思い返せば、僕は小さい頃から両親に迷惑ばかりをかけてきました・・・
目をつぶると、僕の脳裏には小さい頃から現在までの思い出が浮んでは消え、浮んでは消えを繰り返します。
 

俺 「走馬灯じゃねーか。」
若干ガチで見えました。
 
そんなツッコミを入れつつ一人で月を見ていると、月の様子が変わってきています。(長女は寒くて帰った)
 

月が真っ赤に染まっているのです。
これはきっと月が僕を見てくれた証。ハハ、月も赤面するんですね。
対する僕はそんな月を見届け、顔面蒼白でお家に帰りました。
リビングでホットココアを飲んでいた長女からは、
 
長女「顔が白くて月みたいだね。」
と言われ、まさに僕自身が月になるという結果になってしまいました。
 
月には不思議な魔力があるとは言われていますが、今日の僕はそのトリコになってしまったようです。
みなさんは僕のようにならないよう、月を見る際には注意してくださいね。 
 
とにかく服を着ましょう。
 
ではまた。