こんにちは、ARuFaです。
突然ですが、みなさんの三半規管は強いですか?
いや、あの、突然こんなこと聞かれても「ほ?」という顔しかできないと思いますが、いかがでしょうか。みなさんの三半規管は強いほうでしょうか。
・・・僕はアホみたいに弱いんです。
三半規管とは、身体が回転する感覚を感じるための器官であり、ここが弱いと乗り物酔いをしやすくなると言われています。
三半規管が弱い僕は、同時に乗り物酔いも非常にしやすい体質でして、車や船に乗るとすぐに気持ちが悪くなってしまいます。
僕と同じように三半規管が弱い方は、車や船やジェットコースターでの苦い経験があるのではないでしょうか。
しかし、そんな三半規管が虫ケラのように弱く、乗り物に乗るとマーライオンのように吐いてしまう人達には、心強い味方がいるのを皆さんはご存知でしょうか。
そう、「酔い止め薬」です。
酔い止め薬とは、その名の通り乗り物酔いを防ぐ薬のこと。乗り物に乗る30分程前に服用すれば、魔法にかかったように乗り物に酔わなくなります。
これまでも僕は何度もこの酔い止めに助けられてきており、その威力は僕が身を持って知っているのですが、これは人類が発明した宝であると自信を持って言えます。
さて、そんな僕等の味方である酔い止めですが、最近僕はこんな事を思いました。
「酔い止め薬は、乗り物酔い以外にも効果があるんじゃないか?」・・・と。
そう、あれだけ乗り物酔いを防いでくれる酔い止め薬ですから、もしかしたら乗り物酔い以外にもその効果を発揮してくれるかもしれない、と最近ふと思ったのです。
例えば・・・
「"グルグルバット"でも!」
グルグルバットというのは、バットをおでこにつけた状態でグルグルと回る遊び。まさに目を回すことを目的とした恐ろしい死亡遊戯です。
僕の知っている中で、最も"酔う"行為がこのグルグルバットなのですが、もしもこれにも酔い止めが効くとしたら素敵だと思いませんか。
きっとこの世から"酔う"という概念が消え去り、人々はもっと笑顔になり、世界からは争いが消え、コンクリートジャングルには花が咲くことでしょう。
と、いうことで今日は、酔い止め薬がグルグルバットにも効くのかということについて検証したいと思います。
・・・さて、それではまずは、「酔い止めを飲んでいない人がグルグルバットをやるとどうなるか」、を調べてみたいと思います。
友達
挑戦してもらうのは、このためだけに呼び出した僕の友達。服装がMr.スポックのようですが頑張ってもらいましょう。
とりあえず友達には、グルグルバットで10回転してもらい、その後まっすぐ走ってもらうことにしました。
グルグル
さあ、というわけで、早速10回ほど回ってもらい・・・
ダダッ
その後、まっすぐ走ってもらいました。
しかし、見ての通り目が回ってしまい足元はフラフラ。とてもまっすぐ走ることはできません。
グデっ
そして最終的には座り込んでしまい、
・・・
そして、「無理。」と言ったきり動かなくなってしまいました。服に芝生がメッチャクチャに付いているのはブッ倒れたからです。
・・・以上のことから、酔い止めを飲んでいないノーマルな状態では、人間はとてもまっすぐに走ることはできないことがわかりました。
もっと言えば、友達のおかげでグルグルバットの恐ろしさを再確認することができましたね。それではもう友達には帰ってもらいましょう。じゃあね。
酔い止め薬
・・・さて、ここからが本番です。
先程の友達は酔い止めを飲まずに無謀な挑戦して悲惨な事になりましたが、果たして酔い止めを飲むだけであのグルグルバットでも目を回さずに走ることはできるのでしょうか。
ゴクリ
と、いうことで僕は酔い止め薬を飲み、効果が現れるまで30分ほど準備体操をして、挑戦の時を待ちました。
〜30分後〜
さあ、そんなこんなで30分が経過し、僕の身体に酔い止めの成分が行き渡りました。現在の僕は"酔い"を知らない究極超人になった訳です。
そして、そんな究極超人である僕がグルグルバットに挑戦するのが、こちらの橋です。
長く一直線に伸びたこの橋の手前でグルグルバットをし、その後橋をまっすぐに走り抜けてみたいと思います。
わかりやすい図
これで僕が無事に向こう岸に渡ることができれば、酔い止めがグルグルバットにも効くということが証明されるということです。
ちなみに、今回僕がグルグルバットで回転する回数は50回。 三半規管が弱い僕ですが、酔い止めの力を信用してこの回数に設定しました。
・・・それでは、準備も整ったところで早速検証を開始致しましょう!
果たして、酔い止め薬はグルグルバットにも効くのでしょうか!?
・・・
「行きます!!!!」
ドタドタ
「ウオオオオオオオオオオーーーーーー!!!!!」
さあ、ついに世紀の実験が開始されました。まずはグルグルバットで50回転をしなくてはいけません。
自分で回数を設定しておいてアレなのですが、これ、メッチャ疲れます。20回転くらいで息が切れて死ぬかと思いました。
しかし、ここでくたばっては実験もクソもないので、死ぬ気で50回転を回り切りました。
「20・・・・30・・・・40・・・・50!! よし!!」
ダダッ
息を切らしながら50回転を終えた僕は、バットから頭を上げて走り出します。
果たして僕の目は回っているのか!? 酔い止めは効いているのか!?
その結果やいかに!!
・・・!!
「うわ!! すごい!!!!」
ダダダ
「全然気持ち悪くない!!!」
・・・そう、回転をした時に感じる、あの目の回ったような不快感は全く感じなかったのです!
視界が回る感じも吐き気も何もなく、グルグルバットをする前と何ら変わりのない世界がそこにはありました。
ダダダッ
「酔い止めすげぇーーーーー!!!!!」
あまりの嬉しさに僕は叫びながら橋を走っていきます。気分はまさに1位を独走するマラソンランナーのようです。
"酔い"の無い世界がここまで素晴らしいものだとは思いませんでした。あとはもう橋を渡り切ってしまうだけ!
すごいぞ酔い止め!! よくやった酔い止め!! お前は人類の宝だーーー!!
・・・と、喜んでいたのもつかの間。直後、僕の身体に異変が起こったのです。
!?
「・・・あれ?」
??
「え、嘘、何で?」
???
「ちょ、ま」
「嫌ああああああああああああああああ」
「あああああああああああああああああ」
落ちました。
何が起きたのかを説明しますと、気分はいたって良好、目も一切回っていないのに、身体が勝手に曲がったんです。
気持ちとしてはごく自然にまっすぐ走っているはずが、身体だけは先程の友達のようにフラフラと制御を失い、橋から落ちてしまいました。
例えるのならば、意識はあるのに別の誰かに身体を操られているかのような感覚・・・脳をハイジャックされたような感じでした。
・・・
水に落ちてからもその状態は続き、気持ちでは立ち上がろうとしているのにも関わらず、身体が動きません。
はたから見たら温泉に優雅に浸かっているようですが、この日の気温は6℃。死にます。今死にます。
ザバァ
・・・しばらくしてやっとの思いで立ち上がり、早く対岸に上がろうとしたのですが、
??
「・・・あれ!!?・・・アレ!!!?」
どこへ
「何でよぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーー!!!?」
見当違いの方向に物凄い勢いで走って行ってしまいました。こうなってしまっては、ジャイアンに操縦器を盗まれたスネ夫のラジコンのようなものです。
で、これは僕の予想なのですが、多分酔い止めのおかげで感覚的には酔っていないにしても、身体は確実に目を回していたのだと思います。
そのため、身体が言うことを聞かずにあらぬ方向へ進んでしまったと・・・。最悪です。
気持ちの中では「全然酔っていない」と思っているのにも関わらず歩くこともできないので、普通に酔うよりもタチが悪い感じになってしまいました。まじで最悪です。
"痛覚"があるのは身体を守るため、とはよく言われていますが、もしかしたら"酔い"も身体を守るためにあるのかもしれません。
と、いうことで、「酔い止め薬はグルグルバットにも効くのか」という検証の結果は・・・
「気持ち的には酔わないが、身体は正直」という結果になりました。
いや、ほんとに。
フラッフラ
・・・家族連れの多い白昼の公園で、びしょ濡れの男がフラフラと歩く姿はまさに妖怪じみていて恐怖でしかありません。
とりあえず、皆さんはこうならないためにも、酔い止めは乗り物に乗る時だけに服用するようにしましょう。
そして、「"酔う"という感覚も生きる上で大切なことかもしれない」、ということを頭の片隅にでも覚えておいて頂けると幸いです。
それでは、今日はこのへんで失礼致します。
ではまた。